「●○さんが時短にしたおかげでわたしたち夕方休憩とれないんじゃないの?」
「●○さんまた早退らしいわよ、いいわね子どもがいるって」
「この会社、社員には甘いくせにわたしたちパートには厳しいよね」
カーテン一枚を挟んだ先にわたしがいるとも知らず、わたしに対する陰口が聞こえてきたお昼すぎ。
この日は次女の発熱に気付きながらも座薬を差して保育園に放り込み、薬の効果が切れる時間を逆算して、朝一の会議、伝票処理、企画書の修正に追われている時でした。
自分の家庭を子どもを犠牲にしてできる限り会社のためになることを考えているのに、こうも嫌われてるわたしって一体なんなんだろう。
ちょうど2年前のわたしは会社の嫌われ者でした。
時短勤務で16時半上がり、早番専属、日曜日は固定休
百貨店勤務のわたしにとってこの待遇はもはや贅沢すぎること。
企業の打ち出した制度とはいえ、その恩恵に授かれないひとにしわ寄せがとことんくるという分かりやすい構図です。
時短勤務でなくても、世の子育てママには予想外の保育園からのお呼び出しで早退や学校行事による有休消化が相次ぎます。
子育てママが自分の力のみで完璧に働くというのはとても難しくて過酷なことなのです。
時短勤務が迷惑!
今、企業も揺れている
最近では資生堂ショックがいい例で、子育てをしてても他の従業員とフェアな状態で勤務する方針に企業は戻りつつあります。・時短勤務を推進することで業績が悪化
・しわ寄せを受ける従業員の企業満足度が低下
土日や夕方以降の従業員不足が相次ぎ、資生堂が時短勤務社員の土日勤務、シフト制、その他従業員と同等のノルマを促進。
これまでの、「女性が子どもを産んでも輝ける会社」の考えを一変。=資生堂ショック
優遇措置のない元の企業体制に戻りつつあります。
子育て世代が他の世代と共に協力しながら働き合える社会になるにはまだまだ課題がいっぱいです。
もしも今企業がわたしを支えてくれないとしたら
好きで入社した会社ですが、もしも今企業が子育て中のわたしを支えてくれないとしたらわたしは辞めると思います。現に、制度の充実してない会社を前に子どもを育てるために泣く泣く辞めてったママをたくさんみてきました。
「子どもがいても遅番してね」
「ノルマはこれね」
「子育てと仕事は別だから。これはこれ、それはそれで頑張りなさい」
当然のように飛び交うこの言葉で割り切って頑張れる人はどれだけいるんだろう?
嫌われたくない!時短勤務のわたしの失敗
時短勤務が一緒に働く人にとって迷惑なのはひしひしと伝わってくる。育休明けにはじめて時短勤務で職場復帰したわたしは戸惑っていました。
できるだけ、迷惑かけずにうまくやっていこうと奮闘しました。
そんな中で間違った働き方をしたこともあります。
時短勤務なのに残業ばかりだった
会社規定では時短勤務者の6時間以降の残業は認められていませんでした。あらかじめ申請した計画ある残業でもないためもちろん残業代は発生しません。
・周りに認められるため
・迷惑をかけないため
・できるだけ尽力をつくすため
時短勤務にしたけど、全然帰れない。
周りに感謝されるどころかいつのまにかそれが当たり前のようになり、ますます定時に帰ることが困難になったのです。
育児と仕事の両立の中でいずれも満足にこなせないわたしはどんどん疲弊していきました。
結局のところ、子供や夫との時間も大切にできずにいたのです。
「ごめんなさい」の数だけ自信がなくなる
定時で帰るとき早退が必要なとき
急な有給消化が増えたとき
時短勤務&子育てをしていく中でどうしても周りに迷惑をかけてしまうことはよくあります。
「申し訳ありません。」
「いつもすみません」
「ごめんね」
周りに謝るたびわたしの自信が少しずつ消えていきました。
わたしはこれまで仕事での企画力には誰にも負けない自信がありました。
しかし、時短勤務にして申し訳なさが増えることで発案することが怖くなっていったのです。
・企画の途中で子供に何かあったらどうしよう
・最後までやり通せないかもしれない
・そしたら誰かに迷惑をかけてしまう
わたしは本来の自分らしさをなくしていきました。
仕事がちっとも楽しくなくなりました。
人の目を気にすることで自分の目も厳しくなる
・帰りずらくて結局残業・嫌われたくなくてひたすらペコペコ
・自分のことをさておきとりあえずサポートに回るようにする
時短勤務にしたわたしはとにかく一緒に働く同僚や部下に気を使いました。
するとどうでしょう。
だんだん人をみる自分の目が厳しくなっていくのです。
・あの人の休憩時間はいつも長い
・あの人は朝の掃除をしない
・わたしだって休んでいないのにあの人また有休申請だしている
自分の働き方、自分のプライベート、自分の身体を無視しつづけた結果、わたしは人を妬み欠点を探しひっそり恨むような人間になっていったのです。
「こんな会社いつか辞めてやる!」
入社したころのやりがいもすっかり消えていました。
ようやく見つけた時短勤務ママの働き方
右往左往してようやくたどり着いたわたしの時短勤務として働き方は下記のとおりです。・定時に帰る
・子供が熱を出したら早退する
・子供の体調が悪ければ有休を取得する
・できるときに一生懸命働く
・「ごめんなさい」ではなく「ありがとう」を伝える
・気遣いではなく気配りを意識して働く
・感謝の心、助けられた恩は絶対に忘れない
なにも特別なことは何一つありません。
時短勤務ははたからみれば贅沢で、時には一緒に働く人に迷惑をかけてしまうこともあるでしょう。
いろんな局面にぶつかりながら気づいた最適な働き方
気遣いは消耗するけど気配りは連鎖する
オロオロするより、いる時間はしっかり働き、素直に感謝していけばいいのだと気がつきました。
気遣いではなく気配りで勝負!ママが社会を乗り越えるため裏ワザ - 時短勤務で働くママ VS 3人育児とちょいぽちゃ旦那
前向きに捉えると、
時短勤務制度があるからこそ、子育てに向き合えるし、会社に向かう足取りだって軽やかです。
少なくとも無理して頑張ってたあの頃より家庭環境も職場での人間関係も良好なのです。
【2017/3/30追記】
時短勤務をはずし、現在はフルタイムで働いています。
わたしの部下はちょうど育休明け、まだ幼い子供を抱えての職場復帰です。
体調のままならない幼児に早退も有休も突発的でいて頻回です。
わたしはこの時の大変さを知っています。
そしてどうしたら救われるかを知っています。
自分の時短勤務時代、たくさん支えてもらえたわたしは、
次に続く時短勤務世代を温かくサポート、フォローできるようになりました。
時短勤務や有給消化を
もっと尊重し合える会社が増えて欲しい!
今、時短勤務や子育てママのしわ寄せで大変な思いをしてる人がいるのも承知そして企業の業績が悪化してるのも踏まえた上でわたしが今思うこと
子育てママの時短勤務、有給消化をもっと推進してほしい。
至れり尽くせりな子育ては子供がが小学校に入るまでのせいぜい6、7年です。
そのころには子育て自体に全く手はかからなくなっているだろうし、自分の時間だってたっぷりあります。
むしろ小学生ともなれば急な発熱でのお呼び出しや突発的な有休消化だって減るでしょう。
その時期から定年まで働くとしたら働くママは20年以上会社に貢献できる計算になります。
本当の本当に子育てが大変な時期数年を支えてもらえれば、わたしはその後会社で粉骨砕身頑張れる。
子どもがいても女性が活躍できる社会というのは
制度の最中で子育てと仕事の両立に奮闘するママにたいして求めることではありません。
大変な時期を支えてもらったママがひと段落ついたときに発揮されるパワーこそが女性が活躍できる社会の真髄なのです。
もっと働ける、もっとやりがいを感じる、もっと恩返ししたくなる
・元気をくれる家族が好き
・支えてくれる職場の人が好き
・ここで働ける自分が好き
・この会社が好き
そう思える企業がこれからも増えていってほしいです。
まとめ
定時きっかりに帰りましょうもしかしたら時折早退だってするかもしれません
きっとどこかで陰口だって言われているはず
迷惑だって感じてる人は必ずいるはずです。
でもそんなの気にしません。
実際に今わたしはその人によってに支えられているのだから。
そのおかげで子育て家事に従事できているから。
一生懸命仕事に重心を置いてる従業員からしてみれば今はどんなにあがいたとしても全くフェアではないのです。
だからこそ、
今を感謝しよう
謙虚になろう
できる範囲できっちり頑張ろう
いつか子育てが落ち着いたそのときにはもっと彼女らを楽にさせる方法やアイディアを打ち出せる人間になりたいと思っています。
時短勤務、有休消化に寛大な企業が増えますように。
子育て中でも温かい気持ちで一日一日を過ごせますように。
会社に居ずらいなんて思わないで!
あなたが活躍できる日は今ではなくこれからの未来です。
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